食への想い
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食への想い
いつも came came 30 をご利用いただきありがとうございます。シェフの上野剛です。
皆さまに喜んでいただけるような料理を、毎日心を込めてお作りしています。
こちらで少し私の食への想いを綴らせていただきます。
私の料理のテーマは、「本当の健康とは?」です。
健康を考える上で大切なことのひとつ「免疫」。厳しい自然との戦いや共存の中で築き、勝ち取ってきた戦利品とも言え、生き延びるために身に付けたものだと考えます。
しかし、現代社会では、その免疫の必要性や免疫自体が揺らいでいるように感じます。
生きる環境を都会に寄せ、外敵や自然の厳しさから離れたゆりかごのような生活では、免疫機能は役目を失い、ある意味、現代社会に適応した身体になると思います。
そして加工した食品、体に不要なものを添加した食品など、自然ではない食品が溢れていますが、これらの食品が私たちの体に良い影響を与えないということは、皆さまも想像できると思います。
食べ続ければ体が対応しきれず、見えないところで不調が起きたり、臓器の疲れや血が汚れたり、身体能力の変化、更には免疫力の低下を招きます。
体が発するサインを無視し続けると、やがて未病は病気に進んでいくと考えています。
様々な情報が溢れる中、私が原点に戻りたい時に思い出すのは太古の時代の生き方です。
裸足で走り回り、獲物を見つけたら狩り、食糧が無い日もあった。
日が昇ると共に目覚め、空で月が輝く頃には眠りについていた。
そんなシンプルな時代です。厳しい自然環境を生き抜いた私たちの祖先。
今よりも長生きではなかったかもしれませんが、自然と共に生きていました。
何もかも複雑になってしまった現代に必要なのは、このたくましい原人と言える祖先たちの生き方だと考えます。
原人的な食事、原人的な睡眠、原人的な運動、思考を取り入れ理解する事で、様々な良い変化が得られると考えています。
これらを生活に取り入れたら、現代病や不調を改善するすべとなり得るのではと思うのです。
私たちは、飢餓や疫病を防ぎ、繁栄のために自然を自分たちの都合に合わせ、効率よく食物を得られるように農業を発展させ、品種改良や家畜文化の発展、そして医療を進化させてきました。
そのおかげで今の暮らしがあることも忘れてはいけません。
しかしそれらによって偏った栄養や、過剰な栄養摂取、医療依存などが生まれていることも事実。
現代的な生き方に、原人的な生き方を取り入れる事で、「これを食べて健康に」などの断片的な情報に惑わされることなく、ヘルスリテラシーを高め、自身の判断基準を持つことができます。
「原人的に生きる」というのは、遠い昔に生きていたことだけではなく、現代の条件の中で原人的な思想を持った生き方をすること。
原人的な考え方から自分の体を知り、自然と身体がつながっていることを理解し、それらを実行することで本当の持続可能な社会が築かれると信じています。
シェフ 上野剛